ダミアナとは

ダミアナはメキシコからアメリカ中央、西インド諸島、南米に広く分布する植物です。

とてもかぐわしい葉が特徴的で、ダミアナが自生する熱帯アメリカでは、リキュールのフレーバーやお茶の替わりに用いたりもしています。

ダミアナの植物学名はターネラ・アフロディジアカと言い、アフロディジアックという言葉は英語で媚薬を意味します。

このことからもわかるように、ダミアナが長い歴史の中で媚薬として、多くの人々に寄りそい用いられていたことを物語っています。

確認されているだけでも古代マヤ文明の時代において伝統的に媚薬や強壮剤として使用されたほか、めまいやバランス感覚の治療に用いられたと伝えられています。

いまは男女ともに生殖機能向上や、精力増強などに用いられています。

そのほかにも、抗うつ、利尿、喉などの薬としても有効だということが確認され、各国で効能についての研究と発見がいまなお進められています。

ダミアナに含まれる成分

ダミアナは世界の多くの国で生産、使用されていますが、日本では医薬品として使用される原料と指定されており、これは強い効果があることの裏付けと言えます。

ダミアナの成分構成はとても複雑で、いまも研究の余地が残されていると言われています。日本やさまざまな国で医療成分とされているものや、それ以外でも強力な成分が多数発見されています。

強力な成分

ダミアナに含まれるアルブチン（フェノール配糖体）やシアン配糖体、ベータシトステロールなどは非常に強力な成分として知られています。

アルブチンは厚生労働省が認可する医薬部外品美白有効成分で、メラニンを作るチロシナーゼのはたらきを阻害する作用が確認されており、シミ、ソバカスができるのを防ぐ役割があるとされています。

シアン配糖体は青梅、ビワ、カシューナッツ、杏仁（トウニン）などにも微量に含まれます。杏仁は漢方薬に使われており、少量を摂るのは薬にもなります。ただし大量に摂ると毒となる成分です。

アメリカFDA（食品医薬品局）では「一般に安全と認められる食品添加物」の安全基準であるGRASが発行されています。

ちなみに配糖体とは糖と糖ではない物質が結合した物質です。抗酸化作用や免疫力向上、肥満予防などの効果があるとされるサポニンも配糖体の一種です。

ベータシトステロールは、悪玉コレステロールの減少や血糖値引き下げ、美容、ダイエット効果、さらには血流促進など強力な作用がある反面、こちらも過剰摂取で副作用を引き起こすとされています。

そのほかの成分

ダミアナにはそのほかにも現時点でわかっているだけで、フラボノイド、タンニン、揮発性オイルなど多くの成分が見つかっています。

フラボノイドはポリフェノールの一種で、植物の葉、茎、幹などに含まれる植物色素です。人間の身体にとっては生理調節機能にはたらきかける機能性成分として注目されています。

タンニンはお茶などに含まれる渋み成分の正体として有名です。タンニンは鉄分の吸収を抑える働きがあるので、摂りすぎは貧血になるため注意が必要です。

ダミアナの効果

ダミアナの葉は生殖器官を刺激する効果が確認されています。そのため男女とも性欲を高める効果があるとされます。

動物実験ではラットの性的パフォーマンスを向上させたという研究結果も報告されています。

性ホルモンに対しての明確な作用は実証されていませんが、女性の更年期障害でおこる心身の不調や、不妊、生理不順に効果があると言われています。

そのほかの効果としては、活力アップ、精神安定、多幸感アップ、抗うつ、神経性の胃炎、夜尿症、便秘、血糖値を下げるなどの効果があるとされています。

また、男性のED（勃起不全）にもダミアナは効果があるとする科学的研究も報告されています。

ダミアナは勃起時に海綿体へたくさんの血液が流入するよう、陰茎動脈の壁を拡げる効果があるとされます。その効果はバイアグラを服用した時よりも、大きく、広く血管を拡張するという報告もあります。

ただし、科学的なデータはまだ十分ではなく、今も研究が続いていますが、オランダではE・F・Steinments氏の著書で、精力増強作用と生殖器系への強壮作用からダミアナの評価が高まっていると書かれています。

ダミアナの摂取方法

ダミアナの摂取方法は主にお茶や栄養ドリンクなどで飲んで摂取する方法、サプリメントで摂る方法、そしてたばこのように吸って摂取する方法があります。いずれも摂取する分量の摂りすぎには注意が必要です。

お茶

お茶として飲む場合は1回小さじ1～2杯を熱湯250mlに5～10分浸したのち、こしたものを1日3回飲むのが効果的とされています。

飲んで摂取する際は、スカルキャップ、オーツ、セントジョンズワースなどの神経強壮ハーブをブレンドして飲むと、相乗効果があると考えられています。

ほかに一緒に摂ると相性が良いと言われているのは、高麗人参、ヨヒンベ、カツアバ、ムイラプアマ、ハマビシ果実、イチョウ葉エキス、ガラナ、バイオペリン、亜鉛、シトルリン、イノシン、フコキサンチンなどがあります。

ちなみにメキシコの先住民はダミアナを使用した甘いお茶を飲んでいたことが知られています。メキシコは、有名なカクテルであるマルガリータが生み出された国と言われていますが、このマルガリータにもダミアナが使われていたことが記録されています。

サプリメント

現在もっとも一般的なのは、サプリメントで摂取する方法です。原料にダミアナのみを使用したサプリメント以外にも、ダミアナをはじめとする各種神経強壮ハーブや精力増強ハーブを原料として配合したサプリメントや媚薬が数多くあります。

飲み方に手間のかかる他の摂取方法に較べ、サプリメントは特定の成分を凝縮して製造できるということもあり、最も手軽に、かつ効果的に摂る方法として多くの人に活用されています。

その他の摂取方法

ダミアナ葉は、たばこの代用として多くの国々で嗜好品として認知されています。精神安定に効果があり、多幸感が得られるとして活用され、タバコの葉にダミアナ葉を混ぜて手巻き煙草として吸う摂取方法が取られることもあります。

目安量

ダミアナの目安量は1日約3～4gが適量であるとされます。

ダミアナが含まれるお茶やサプリメントなど、通常量の範囲で摂取する場合は安全であるという結論が出ていますが、目安量を守ることは重要です。

ダミアナ抽出物を200g摂取すると、破傷風のようなけいれんや、狂犬病、ストリキニーネ中毒に似た症状の発作を起こす可能性があるいう報告もあり極端な過剰摂取は危険です。

ダミアナの副作用

ダミアナは通常量を摂取する場合、副作用の心配がほとんどない成分の1つと言われています。
ただし一部報告では、摂取によって頭痛、下痢、不眠などが生じる可能性があるとされています。

ダミアナの注意点

ダミアナは血糖値を下げる効果があるため、糖尿病の人、または糖尿病薬を服用中の人は相互作用で血糖値が下がりすぎてしまい危険をともなう可能性があります。

ほかにもアルツハイマー病、パーキンソン病、乳がん、精神疾患の病気をお持ちの方は摂取を控えたほうがいいと言われています。

妊婦や授乳期の女性も十分な安全性が実証されていないうえ、流産の恐れがあるとされるため使用を避けるべきです。

また、ダミアナに微量含まれるシアン化合物を臓器に疾患がある人が摂取した場合、頭痛やめまい、吐き気などが起こり、重篤な場合、呼吸困難や意識喪失の可能性もあるので摂取は厳禁です。

ダミアナが含まれている商品一覧

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参考サイト：
・ターネラ属（ダミアナ）-Wikipedia