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デエビゴ(レンボレキサント)の副作用や依存性

デエビゴ(レンボレキサント)の副作用や依存性

デエビゴ(レンボレキサント)は、高い安全性が認められている、新しいタイプの睡眠薬です。

分類はオレキシン受容体拮抗薬で、脳内のオレキシンの働きを抑えることで眠りを促します。
従来の睡眠薬にあるような依存性や、物忘れなどの副作用が起こりにくいことが特徴です。

しかし、デエビゴは副作用がまったく起こらないわけではありません。
この記事では、デエビゴで起こる可能性がある副作用の症状や、対処法について詳しく解説していきます。

デエビゴの副作用一覧

デエビゴの代表的な副作用は、以下の通りです。

・傾眠(うとうとして意識を失う手前の状態)
・頭痛
・倦怠感
・浮動性めまい
・悪夢
・体重増加
・幻覚

3%以上 1~3%未満 1%未満 頻度不明
神経系障害 傾眠(10.7%)、頭痛(4.2%) 浮動性めまい、睡眠、時麻痺 注意力障害
精神障害 異常な夢、悪夢 幻覚、錯乱状態 睡眠時随伴症
循環器 動悸
消化器 悪心 口内乾燥、腹痛
肝臓 ALT上昇
感覚器 回転性めまい、耳鳴 眼痛
その他 倦怠感(3.1%) 体重増加 食欲亢進、多汗症、血中トリグリセリド上昇、異常感、転倒、筋肉痛

傾眠頭痛、倦怠感は、デエビゴの代表的な副作用です。
発現率は、傾眠10.7%、頭痛4.2%、倦怠感3.1%と、副作用の中でも大きな割合を締めています。

翌日まで眠気や倦怠感が残ることがありますが、多くの方が午前中の早い時間に治まるとされています。
しかし、デエビゴは効果や副作用の現れ方に個人差があるため、一部の方は治まるまでに時間が必要な場合もあります。

頭痛や眠気が翌日に残る可能性がある

デエビゴで副作用を感じている方は、多くが頭痛や翌日まで眠気が残るという症状を訴えています。

中途覚醒にも有効とされているデエビゴは、作用時間が長く続く睡眠薬です。
そのため、効果が抜けるまでには時間がかかり、人によっては翌日に頭痛や眠気を感じることがあります。

翌日の眠気は、デエビゴの強すぎる効き目で起きている可能性があります。
眠気は服用量が多い場合に起こることがほとんどなので、症状を改善するためには摂取量の調整が必要です

デエビゴは効果の持続時間が長いため、効きすぎによる副作用を改善する場合には、服用量を減らす対策をおこないましょう。

服用後に悪夢を見ることがある

デエビゴの服用後は、副作用として悪夢を見ることがあります。
報告されている発現率は、1~3%です。
しかし、悪夢の副作用はデエビゴの作用が直接関与して起こる症状ではありません

副作用で起こる悪夢は、レム睡眠が増えて夢を見やすくなることが影響していると考えられています。

睡眠中は、脳や身体がレム睡眠とノンレム睡眠の移行を繰り返しています。
ノンレム睡眠は脳が休んでいるため深い眠りにつける状態で、レム睡眠は脳が活発に働くため眠りが浅い状態です。

夢は眠りが浅いレム睡眠のとき見ます。
そのため、睡眠時間が長くなってレム睡眠になる時間も増えれば、夢を見る頻度も多くなります。
デエビゴを服用して夢を見る頻度が増えれば、悪夢を見る可能性も高まるのです。

しかし、悪夢を見る症状は、1~3%の割合になります。
副作用としてデエビゴで悪夢が起こる可能性は低いですが、もともと悪夢を見やすい方は注意をしてください。

幻覚が生じる場合がある

デエビゴの副作用として起こる確率は低いですが、1%未満で幻覚が生じることがあります。

幻覚とは、本当は存在しないものが実在しているように感じることです。
症状はさまざまで、幻覚には幻視や幻聴、幻触などがあります。

副作用として幻覚が起こるのは、起きているときに必要な物質オレキシンが欠乏することが原因とされています。
用量どおり飲んでも効果が得られないからと過剰摂取はしないでください。

副作用で幻覚が起こることは稀ではありますが、症状を感じた場合は医師に相談しましょう。

デエビゴの副作用の対処法4つ

デエビゴの副作用には、以下の対処法が有効です。

1:医師や薬剤師に相談する
副作用がひどい場合や、身体に異常を感じた場合は、医師や薬剤師に相談してください。
体質に合っていない可能性もあるため、デエビゴを継続して使用しないようにしましょう。

2:服用量を減らす
一般的なデエビゴの服用量は、成人で5mgから開始するとされています。
しかし、効果や副作用には個人差があります。
デエビゴには2.5mg、5mg、10mgの規格があるため、副作用の症状がひどい場合は、服用量を減らしてみてください。

3:服用時間を早める
眠気が翌日も残ってしまう場合は医師に相談し、服用時間を早めてみてください。
デエビゴは、翌日の眠気が最小限になるように設計された睡眠薬ですが、効果のあらわれ方は人によって差があります。
服用時間を早めることで、効果が抜ける時間が早くなる可能性があります。

4:ほかの睡眠薬に変更する
デエビゴと同じように効果の継続時間が長い睡眠薬には、ベルソムラやドラールなどがあります。
ベルソムラはデエビゴよりも中途覚醒に対する効果が優れているとされており、ドラールには効果や副作用がある程度計算できるというメリットがあります。

デエビゴは依存性や耐性のリスクが低い

デエビゴは依存性が低く、長期にわたる連続使用でも耐性が生じにくい不眠症治療薬です。
新しい睡眠薬で、脳のオレキシン受容体に作用することで睡眠を促す効果があります。

オレキシンは、受容体と結合することで覚醒を促進する物質です。
デエビゴは、オレキシンの受容体が結合できないように邪魔をして働きを低下させることで、身体を睡眠状態へ促します。

不眠症の中でも中途覚醒早朝覚醒 、熟眠障害に処方されることが多く、入眠障害にも効果があります。
デエビゴは他の睡眠薬とは作用機序が異なり、自然な眠気をおこす睡眠薬のため 依存性や耐性が生じるリスクが低いことも特徴です。

正しい服用方法

デエビゴの正しい服用方法は、以下の通りです。

・1日1回5mgを就寝直前に服用する
・1回10mgを超えて服用しない
・アルコールと一緒に服用しない
・食事と同時や、食後の服用は避ける

デエビゴは、速効性のある睡眠薬です。
服用から30分ほどで眠気が強まってくるため、就寝直前に使用してください。

また、過剰摂取やアルコールとの服用は、デエビゴの作用が強まる可能性があります。
さらに、食事と同時や食後の服用は効果の発現を遅らせてしまう可能性があり、翌日に眠気や頭痛が起こる原因になります。

効果的に使用するためにも、デエビゴは正しい方法で服用しましょう。

使用禁忌

以下に該当する場合は、デエビゴを使用できません。

・デエビゴの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・重度の肝機能障害のある人

過去に、デエビゴの成分で身体に異常な反応があった人は使用しないでください。
また重度の肝機能障害のある人は、デエビゴの濃度が体内で上昇して、効果が強まる可能性があるため使用できません。

中等度の肝機能障害の方も、デエビゴの濃度が健康な方より上昇したというデータが報告されています。
肝機能障害の方は、中等度であっても慎重な投与が必要とされています。
服用量は、1日1回5mgを超えないように注意してください。

併用注意

以下は、デエビゴとの併用に注意が必要です。

・CYP3A阻害剤
・CYP3A誘導剤
・中枢神経抑制剤
・アルコール

デエビゴは肝臓で代謝されるため、CYP3Aという酵素に分解されます。
そのため、CYP3Aにかかわる医薬品と併用すると、代謝能力が低下して血中濃度が上昇する可能性があります。
傾眠などの副作用のリスクが高まるため、CYP3Aにかかわる医薬品との併用には注意が必要です。

また、中枢神経抑制剤やアルコールとの併用は、お互いに作用を強めてしまうことがあります。
医薬品の効果の効きすぎは、思いがけない副作用を引き起こす恐れもあるため危険です。
デエビゴを服用する際は、注意して使用しましょう。

高齢者はデエビゴの副作用に注意が必要か

デエビゴは、高齢であっても成人と同じ用量を服用できる睡眠薬になります。
しかし、高齢者が服用する場合は、副作用のリスクが高まるため注意が必要です。

若い人に比べると、高齢者は薬物代謝能が低下している傾向にあります。
高齢者がデエビゴを使用する際は、作用が強まる恐れがあるので、体調の変化に気をつけなければいけません。

また、身体の中で医薬品がどのように動くかを検証する試験では、高齢者は若い人よりもデエビゴの血中濃度が高い傾向にあるという結果も確認されています。
血中濃度が高くなるのは、加齢によって臓器の機能が低下していることが原因と考えられます。

高齢者がデエビゴを使用する際は、体内に効果が残りやすいため、状態を見ながら使用することが重要です。

デエビゴは妊娠中に飲めるのか

デエビゴの妊娠中の使用は、安全性が確立していないため注意が必要になります。

妊娠中にデエビゴが処方されるのは、危険性よりも治療が優先だと判断された場合です。
デエビゴは、妊娠中の安全性が認められていない睡眠薬なので、使用すると胎児へ影響がでる可能性があります

胎児の安全を守るためにも、妊娠中は医薬品を避けて生活することが理想です。
今まで服用していたデエビゴを中止して不眠の症状がつらい場合には、医師と相談したうえで、ほかの睡眠薬への変更を検討しましょう。