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ベルソムラの副作用と依存性について|症状や対処法を解説

ベルソムラの副作用と依存性について|症状や対処法を解説

ベルソムラは睡眠薬の中でも比較的新しく、覚醒を維持する物質に直接働きかけて睡眠を促すため、依存性や副作用が少ない睡眠薬といわれています。

しかし、
「ベルソムラで副作用がでた」
「副作用で悪夢を見るようになった」
といった声があるため、不安に思う方も少なくないでしょう。

本記事では、ベルソムラの副作用の症状や対処法について詳しく解説していきます。
ベルソムラを服用したいが不安に思っている人や対処法が知りたい人はぜひ、参考にしてください。

ベルソムラは依存性・副作用少ない

ベルソムラはオレキシン受容体拮抗薬に分類される睡眠薬で、ほかの睡眠薬とメカニズムが異なるため、依存性や副作用が少ないのが特徴です。

作用メカニズム 特徴
非ベンゾジアゼピン系 GABAの働きを高め、脳機能を低下させ睡眠へ導く 翌日の眠気やふらつきが少ない
ベンゾジアゼピン系 GABAの働きを高め、脳機能を低下させ睡眠へ導く 即効性がある
メラトニン受容体 メラトニンの働きを強め、自然な睡眠を促す 少量で睡眠リズムを整える
オレキシン受容体 オレキシンの働くを抑制し、自然な睡眠を促す 依存性・副作用が少ない

ベルソムラの有効成分「スボレキサント」は、睡眠と覚醒を切り替える脳内神経伝達物質であるオレキシンの働きを阻害し、自然な睡眠を誘発します。
長期服用した場合の耐薬性や急に服用を中止した際にみられる、不眠がさらにひどくなるといった反跳性不眠が少ないというメリットもあります。
非ベンゾジアゼピン系やベンゾジアゼピン系に比べると、効き目や効果はややマイルドですが、強引な睡眠誘発作用がありません
そのため、従来の睡眠薬よりも依存性や副作用が少なく、比較的安全性が高い睡眠薬といえます。

ベルソムラの副作用一覧

従来の睡眠薬に比べて副作用が少ないといわれていますが、まったく症状があらわれないわけではありません
ベルソムラ服用による副作用の発現率は9.7%といわれており、以下のような症状があらわれる場合があります。

1~5%未満 1%未満 頻度不明
心臓障害 動悸
胃腸障害 悪心、嘔吐
一般・全身障害及び投与部位の状態 疲労
神経系障害 傾眠、頭痛、
浮動性めまい
睡眠時麻酔
精神障害 悪夢 異常な夢、入眠時幻視覚 睡眠時随伴症、夢遊症、傾眠時幻覚、不安、激越
皮膚及び皮下組織障害 そう痒症

万が一、副作用が出た場合は、自分で判断せず医師の相談をしてください。
ここからは、代表的な副作用である「頭痛やめまい」「悪夢」「眠気が残る」それぞれの原因と対策について詳しく解説していきます。

頭痛・めまいの原因と対策

ベルソムラの副作用として、頭痛やめまいが報告されています。
ベルソムラの効果の持続時間は約6~8時間のため、翌日まで効果が残ってしまい、頭痛やめまいが起こりやすくなります。
しかし、これらは一過性の症状で、時間の経過とともに改善することがほとんどです。

■ 対策
・低用量や短時間型の睡眠薬への変更
・就寝時間を早める

効果が強すぎると頭痛やめまいが起こりやすくなるため、低用量や短時間型の睡眠薬への変更も検討してみましょう。

悪夢が起きる原因と対策

ベルソムラの代表的な副作用として、悪夢があげられます。
睡眠には、眠りが深いノンレム睡眠と眠りが浅いレム睡眠があり、とくにレム睡眠中は夢を見やすくなります。
ベルソムラの有効成分スボレキサントには、レム睡眠を増加させる作用があるため、夢を見る時間が増えます。
そのため、心理的不安や過労、ストレスを抱えている場合、悪夢につながるのです。

■ 対策
・ストレス解消
・生活習慣の乱れや就寝時の過ごし方を改善する

悪夢の発現を抑えるために、仕事やプライベートで溜まったストレスを趣味や運動などで発散して、睡眠の質を高めていきましょう。
また、就寝前には覚醒作用にあるカフェインの摂取は避け、ゆっくりとお風呂で身体を温め、できるだけリラックスして過ごすこともおすすめです。

眠気が残る原因と対策

もっとも多くみられる副作用として、眠気が残ることがあります。
ベルソムラに限らず、作用時間が長い睡眠薬に多く見られる症状のひとつです。
自然に近い睡眠を促す睡眠薬ですが、体質や体調によっては効果が出すぎてしまい、起こります。
眠気が残っても午前中には眠気がなくなる場合がほとんどですが、一部ではしばらく眠気が続く方もいます。

■ 対策
・低用量または睡眠薬の種類を変更

ベルソムラは湿度に弱く、ピルカッターなどで分割するなど用量調節した際の安全性や有効性が認められていないため、避けましょう

服用後に太る臨床結果の報告はない

ベルソムラが原因で太るわけではありません
また、ベルソムラによる体重増加の臨床結果の報告はなく、副作用にも含まれていません。

ベルソムラの服用で太るといわれる理由は、オレキシンが関係していると考えられます。
通常、オレキシンの働きにより筋肉で糖の利用が促進され、血糖値の上昇が抑えられますが、
ベルソムラを服用するとオレキシンの働きが阻害されるため、筋肉での糖の利用が抑制され、血糖値が上昇してしまいます。
これにより、筋肉ではなく脂肪組織に糖が蓄えられ、肥満につながる可能性があるのです。

ベルソムラが直接的に体重増加に大きな影響を与えることは認められておらず、服用後に太る可能性は低いです。

ベルソムラによる死亡例は不適切な使用が原因

ベルソムラの服用による死亡例は数件報告されていますが、用量用法を守っていれば死亡する可能性は低いです。
現時点の死亡例は2件報告されており、1件目は96歳女性が間質性肺炎、2件目は88歳男性が心不全により死亡しています。
そのほかにも、過去には運転中の強い眠気による自動車事故が発生しています。
これらの事例は、ほかの睡眠薬や併用禁忌薬と併用していた、ベルソムラ服用中に飲酒していたなど、いずれも用法用量を守っていないことが原因です。
ベルソムラの添付文書には、飲酒や自動車運転など危険を伴う機械操作をしないよう注意喚起されています。
ベルソムラは、正しく決められた用量を服用していれば死亡することはありません。
使用する前に必ず注意事項や併用禁忌などを確認し、必ず用量用法を守って服用してください。

ベルソムラの正しい飲み方

ベルソムラは、用量用法を守ることで副作用のリスクを軽減できます。

■ 飲み方
・1日1回1錠(20mg)を、就寝直前に服用する
・初めての方は15mgからの服用を推奨
1日最大用量は20mgまでとする (高齢者は15mgまで)

入眠効果に影響を与えるため、食事中や食後の服用は避けてください。
食後2時間以上間隔を空けて、空腹時に服用するようにしましょう。
用量を増やしたからといって早く効果を実感できるわけではないため、1日の最大用量20mg以上の服用は避けてください。
過剰摂取により、副作用が強まるだけでなく健康に被害が及ぶ恐れがあります。
また、高齢者の服用は副作用のリスクが高まるため、1日の最大用量は15mgまでとします。
ベルソムラは、腸で吸収するために表面がコーティングされているため、かみ砕いて服用せずに、水やぬるま湯で服用してください。
正しい飲み方をして、副作用のリスクを軽減しましょう。

服用禁忌と服用の注意が必要な人

ベルソムラを服用できない方や注意が必要な方は以下のとおりです。
■ 服用できない方
・ベルソムラに対して過敏症の既往歴ある方
・YP3Aを強く阻害する医薬品(併用禁忌医薬品)を服用している方

■ 注意が必要な方
・ナルコレプシーまたはカタプレクシーのある方
・重度の呼吸機能障害のある方
・脳に器質的障害のある方
・重度の肝機能障害のある方
・妊婦中または妊娠の可能性がある方
・授乳中の方
・幼児
・高齢者(65歳以上)

上記に該当する方は、ベルソムラの作用が強くでる恐れや病状を悪化させる恐れがあるため、必ず医師に相談したうえで服用してください。
とくに、重度の呼吸機能障害に対する臨床試験はおこなわれていないため、十分に注意する必要があります。
また、妊娠中や授乳中の服用に関しては、胎児や乳児に影響を与える可能性があります。

併用禁忌と併用注意

ベルソムラの併用禁忌や併用注意は以下の通りです。
■ 併用禁忌
YP3Aを強く阻害する医薬品
・イトラコナゾール
・リトナビル
・クラリスロマイシン
・ネルフィナビル
・テラプレビル
・サキナビル
・インジナビル
・ボリコナゾール

これらの医薬品と併用すると、ベルソムラの作用を強める恐れがあります。

■ 併用注意
・アルコール摂取(飲酒)
・CYP3Aを強く誘導する医薬品(リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトインなど)
・CYP3Aを強く阻害する医薬品(イトラコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビルなど)
・中枢神経抑制薬(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等)
・ジゴキシン

中枢神経系に対する抑制作用を増強させたり、ベルソムラの作用を増強または減弱させる恐れがあるため十分に注意しましょう。

■ 注意事項
・ベルソムラ服用中、自動車運転など危険を伴う機械操作は避けてください。
翌日以降にも医薬品の影響が出る場合もあるため、十分に注意が必要です。
・グレープフルーツ(ジュースも含む)は避けてください。
・湿度の影響を受けやすいため、容器の移し替えはせずシートのまま保管し、服用直前に取り出してください。

まとめ

ここまで解説してきたポイントをまとめてみました。
・ベルソムラは依存性や副作用が少ない
・ベルソムラの主な副作用は、頭痛、めまい、悪夢
・副作用が出た際の対処法は、低用量や短時間型の睡眠薬への変更や就寝前の過ごし方の改善
・正しい飲み方、併用禁忌や注意を守ることで副作用を軽減できる

ベルソムラは、依存性や副作用が少ない睡眠薬です。
しかし、体質や体調によっては翌日まで眠気が残る場合もあるため、注意が必要です。
用量用法を守り、副作用をさらに軽減させましょう。

ベルソムラが気になった方は商品詳細をご覧ください。

よくある質問

ここからは、ベルソムラの副作用についてよくある質問にお答えしていきます。
ベルソムラの服用を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ベルソムラとデエビゴの副作用の違いは何ですか?

どちらもオレキシン受容体拮抗薬に分類されるため、副作用の症状は同じです。
主な副作用は、傾眠や悪夢、頭痛やめまいがあげられます。
ベルソムラに比べてデエビゴの方が睡眠誘発作用が強いため、眠気などの副作用が翌日まで残る可能性があります

ベルソムラ錠10㎎と15㎎の副作用の違いはありますか?

10mgと15mgとでは、発現する恐れがある副作用の症状に違いはありません
しかし、10mgより15mgの方が有効成分スボレキサントの含有量が多いため、副作用のリスク高まります。
ベルソムラ錠には、10mg・15mg・20mgの3種類があります。
初めての方や副作用が心配な方は、少ない成分量から始めることをおすすめします。

ベルソムラの致死量とは?

ベルソムラの致死量についても報告はありません
しかし、過剰摂取や併用禁忌対象者の服用など不適切な使用が原因となり、健康被害が生じる恐れがあります。
用量用法を守り適切に使用してください。