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グリコランとメトグルコの違いを簡単解説

グリコランとメトグルコの違いを簡単解説

グリコランメトグルコは、どちらもメトホルミンを有効成分とする医薬品です。
しかし、有効成分の含有量や1日に飲める最大量の違いから、別の医薬品として扱われています。

「なぜ有効成分が同じなのに違う医薬品として扱うの?」
という疑問をお持ちの人もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、グリコランとメトグルコの違いについて発売経緯を交えながらわかりやすく解説していきます。

グリコランとメトグルコどちらを飲むか悩んでいる人や2つの違いを知ってより良い方を選びたい人は、ぜひ最後までご覧ください。

グリコランとメトグルコの違い

グリコランとメトグルコの違いを簡単に表にまとめました。

グリコラン メトグルコ
規格 250mg 250mg/500mg/750mg/1000mg
最大用量 750mg/1日 2250mg/1日
飲み方 食後 食前か食後

グリコランとメトグルコの主な違いは、有効成分の含有量(規格)、1日に飲める最大用量、飲むタイミングであることが分かります。

ちなみに、体内で医薬品が作用している時間を表す作用時間はグリコランもメトグルコも6~14時間でした。
しかし、医薬品を飲んでから血液中の濃度が半減するまでにかかる時間を表す血中半減期では2つに違いがありました。
グリコランの血中半減期が3.6時間であるのに対し、メトグルコの血中半減期は2.9時間とされています。

なお、グリコランとメトグルコはどちらもメトホルミンの先発薬です。
主に血糖値を下げる効果があり、2型糖尿病の治療で使用されています。

メトホルミンの効果については、別の記事で詳しく解説しています。
こちらもあわせてお読みください。

メトホルミン錠glとmtの違い

メトホルミン塩酸塩錠◯◯mgの後に表記されている「gl」と「mt」の違いは、一般名の違いです。

例えば以下のように表記されます。

・メトホルミン塩酸塩錠◯◯mg:gl(グリコランの一般名)
・メトホルミン塩酸塩錠◯◯mg:mt(メトグルコの一般名)

このようにグリコランの一般名には「gl」メトグルコの一般名には「mt」が入ります。

グリコランとメトグルコのジェネリック

グリコランとメトグルコは、2019年6月18日まではジェネリック医薬品もそれぞれ別のものが販売されていました。

グリコランのジェネリック医薬品には

・メデット錠250mg
・ネルビス錠250mg
・メトホルミン塩酸塩250mg「トーワ」

などがあります。

しかし、現在はいずれも販売が停止されてメトグルコのジェネリック医薬品に統一されました。

グリコランとメトグルコを違う医薬品として取り扱う理由

グリコランとメトグルコを違う医薬品として取り扱う理由

グリコランとメトグルコを違う医薬品として取り扱う理由は、用法用量が違うからです。

なぜ、同じ有効成分であるにもかかわらず用法用量に違いがあるのでしょうか。
この理由は、グリコランとメトグルコの発売されたタイミングが違うことにあります。
グリコランとメトグルコは、発売されたタイミングが異なることから許可された用法用量が違います。
そのため、保険分類上は違う医薬品として取り扱うのです。

では、一体どんな発売経緯があるのか次の項目でそれぞれ詳しく解説していきます。

グリコランの発売経緯

グリコランは、メトホルミンを有効成分とした糖尿病治療薬としてメトグルコよりも前に発売されています。

1961年にメトホルミン塩酸塩が国内承認を取得し、同年の3月にグリコラン錠として発売されました。
その後錠剤の小型化や、塩辛さや苦みを緩和するためフィルムコーティング錠へ変更するなどの進化を経て現在に至ります。

発売当時はメトホルミンの重大な副作用である乳酸アシドーシスを懸念して、日本で承認されたグリコランの1日量は500〜750mgでした。

ではなぜ、グリコランの1日量を大きく上回るメトグルコが、違う医薬品として登場することになったのでしょうか?

メルビンという医薬品もあった

1961年に発売された、日本初のメトホルミン製剤であるメルビン錠という医薬品もあります。

メルビン錠の製造販売元は大日本住友製薬で、後にこの会社からはメトグルコ錠が発売されました。
そのため、メルビン錠はメトグルコ錠と集約という形で2012年3月31日に薬価から消えてしまいました。

なお、メルビンの1日量や飲み方、禁忌事項などの基本情報はグリコランとほぼ同じです。
そして、メルビンはジェネリックではなく先発薬です。

メトグルコの発売経緯

メトグルコは2010年1月に日本で製造承認を取得し、グリコランと同じ糖尿病治療薬として同年5月に発売されました。

日本では乳酸アシドーシスを懸念して、メトホルミンの1日量は750㎎としていました。
しかし、海外では1日750mgを大きく上回る用量でメトホルミンの有効性、安全性が実証されていたのです。
そこで、日本でもメトホルミンの1日量を増やす臨床試験をおこなったところ、1日750mgを上回る量でも有効性と安全性が確認されました。
この結果を踏まえ、メトグルコは海外の基準に沿って1日量500~2,250㎎で発売されました。

つまり、先に発売されたグリコランの用法用量を拡大するのではなく、海外で発売されていたメトグルコを導入する形を取ったのです。

このような経緯から、有効成分が同じであるにもかかわらず用法用量が違う医薬品が存在することになりました。

グリコランとメトグルコはどちらが主流?

グリコランとメトグルコはどちらが主流?

現在、医療現場ではメトグルコが多く採用されています。

グリコランとメトグルコの有効成分であるメトホルミンの性質上、用量が多いほど強い効果が期待できます。
そのため、グリコランより用量が多い分、効果が期待されメトグルコを使われることが多いのです。

なお、有効成分のメトホルミン塩酸塩については別の記事で詳しく解説しています。
こちらもあわせてお読みください。

グリコランとメトグルコの禁忌事項の違い

グリコランとメトグルコの禁忌事項の違い

グリコランとメトグルコの禁忌事項は、2019年6月18日まで腎機能障害、肝機能障害、高齢者の使用についての項目で違いがありました。
それぞれの禁忌事項の違いは以下の通りです。

〈グリコランの禁忌事項〉
・腎機能障害(軽度障害も含む)がある人
肝機能障害がある
高齢者

〈メトグルコの禁忌事項〉
中等度以上の腎機能障害がある人
重度の肝機能障害がある人
高齢者については記載なし

しかし、2019年6月18日以降はグリコランとメトグルコの禁忌事項は統一されて、共通の内容になりました。
現在の腎機能障害、肝機能障害、高齢者についての禁忌事項は以下の通りです。

・重度の腎機能障害がある人
・重度の肝機能障害がある人
・高齢者は禁忌から削除 ※ただし、慎重に投与することとされている

なお、この他の禁忌事項は以前から現在もグリコランとメトグルコで共通の内容です。

グリコランとメトグルコは発売時期などの違いから禁忌事項もそれぞれ異なっていましたが、現在は安全性についての調査結果などをもとに共通の内容に統一されています。

まとめ

ここまでに解説したことのポイントをまとめました。

  • グリコランとメトグルコは有効成分が同じだが、違う医薬品として販売されている
  • メトグルコはグリコランより1日の最大用量が多いが、有効性と安全性が実証され承認されている
  • 以前はジェネリック医薬品や禁忌事項の内容も異なっていたが、現在は統一されている
  • 1日に飲める最大用量のみ異なっている
  • 現在の医療現場ではメトグルコが多く採用されている

Q&A

Q&A

グリコランとメトグルコに関連したよくある質問にお答えします。

Q.メトホルミンとメトグルコの違いはなんですか?

A. 結論からいえば、メトホルミンとメトグルコは同じものです。

メトホルミンは製剤の一般名で、正式名称はメトホルミン塩酸塩です。
このメトホルミンを医薬品として販売するときの商品名メトグルコになります。

Q.メトグルコとグリコランの一般名は?

A. メトグルコとグリコランの一般名は、どちらもメトホルミンです。
正式名称は以下の通りとなります。

メトグルコの一般名 メトホルミン錠◯◯mg:MT
グリコランの一般名 メトホルミン錠◯◯mg:GL

なお、医薬品の一般名とはその医薬品に含まれている有効成分のことです。
例えば、以下のように一般名と商品名は異なります。

一般名:ロキソプロフェン→商品名:ロキソニン
一般名:アセトアミノフェン→商品名:カロナール

メトホルミンのように一般名が浸透している医薬品や、ロキソニンのように商品名の方がなじみのある医薬品など様々です。