バイアグラは糖尿病でも飲める？EDと糖尿病の関係をわかりやすく解説

バイアグラは糖尿病の方でも服用することができ、糖尿病によるEDにも効果を発揮します。
しかし、糖尿病は他の疾患を併発しやすく、バイアグラの服用には注意が必要です。
また、糖尿病の薬とバイアグラを併用できるのか気になる方も多いことでしょう。
このページでは、糖尿病でもバイアグラを飲めるのかどうかや、糖尿病とEDの関係について解説しています。

バイアグラを糖尿病の人が飲むときの注意点

糖尿病の人は、血管障害が進行していることが多く、健康な人と比較するとバイアグラの効果が少し弱くなることに留意してください。
そして、糖尿病の人が、ED（勃起不全）の治療としてバイアグラを服用する際には、いくつかの注意点があります。

高血圧や、糖尿病の三大合併症として知られる疾患の糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症を併発している人は要注意です。
糖尿病による高血糖状態は、血管や神経に影響を与え、他の疾患を引き起こす可能性があるからです。
とくに動脈硬化や神経障害は、勃起を維持するためのペニスの血管や神経の機能低下の原因となります。

また、併発している疾患の治療薬とバイアグラの併用は、併用禁忌や併用注意の可能性があり、副作用のリスクが増加することも考えられます。
そのため、バイアグラを安全に服用するためには、専門医の診察を受けることも重要です。
病院やクリニックの泌尿器科で医師の診察を受け、薬の併用が安全であるかを事前に確認してもらいましょう。

次の項目では、2型糖尿病や糖尿病性神経障害を持つ方の、バイアグラ服用時の注意点をご紹介します。

バイアグラと2型糖尿病

2型糖尿病の人でもバイアグラの服用は可能です。
また、2型糖尿病の治療薬とバイアグラの併用も可能です。
気兼ねなくバイアグラを服用し、思う存分に性行為を楽しみましょう。

糖尿病の中でも2型糖尿病は、インスリンの分泌不足や作用の低下が原因とされ、日本の糖尿病患者の約95％を占めています。
この2型糖尿病の治療は、食事や運動療法、そして医薬品による血糖値のコントロールが中心となるため、問題なくバイアグラを服用できます。

ただ、バイアグラの服用を検討する際には、やはり専門医の診察を受けるのも大切です。
糖尿病の状態や他に服用している薬を考慮して、最も適切な処方や治療方法を選択するためです。
総じて、2型糖尿病の方であれば、バイアグラを安心して服用できるでしょう。

バイアグラと糖尿病性神経障害

糖尿病性神経障害の人でもバイアグラは服用可能です。
軽度の神経障害であれば、バイアグラの服用でEDを改善できるので、性行為を十分に楽しむ事ができるでしょう。

しかし、重度の神経障害が進行している場合はバイアグラの効果が出にくくなることがあります。
そういった場合のED治療は、ペニスの海綿体に薬剤を直接注射して勃起を促進させる、ICI療法が効果的です。

糖尿病性神経障害によるEDは、症状の重さや原因に応じて選択することが大切です。

バイアグラは糖尿病と併発している疾患があっても飲める？

糖尿病と併発している疾患がある人はバイアグラを服用できない可能性があります。
バイアグラの服用ができるかどうかに関しては、糖尿病という疾患自体の問題だけではなく、その合併症や併発している疾患にも注意しなければならないためです。
とはいえ、糖尿病の男性はED(勃起不全)を併発するという問題に直面している人が多く、その治療方法として真っ先にバイアグラが考えられます。

しかし、実際は併発している疾患だけではなく、併発している疾患の治療薬とバイアグラの相互作用まで考慮しなければなりません。
例を挙げると、動脈硬化の治療に使用される医薬品や、高血圧をコントロールするための降圧薬は、バイアグラとの併用に問題が起こりやすいため、とくに注意が必要です。
かかりつけ医や専門の医師と相談し、ご自身の体調や現在の処方薬との関係を確認してから服用を検討してください。

動脈硬化性の疾患

バイアグラは動脈硬化の人でも服用できます。
動脈硬化は、血管が硬くなり、血流が悪化することで、心や脳の大切な機能に影響を及ぼす疾患です。
狭心症や心筋梗塞、さらには脳梗塞や脳出血などのリスクが高まることは、広く知られています。

そんな動脈硬化ですが、ED治療薬であるバイアグラが、動脈硬化の予防や初期症状の改善に効果があるという可能性が報告されています。
バイアグラは、もともと血管を拡張する作用があり、その効果が血流の改善に寄与するというものです。

ただし、動脈硬化の治療薬や他の疾患の治療薬とバイアグラを併用する場合は注意しなければなりません。
予期せぬ副作用や薬の相互作用が起こる可能性があるため、かかりつけ医か病院やクリニックの専門医と相談してから服用を開始してください。

高血圧

医療機関や医師から管理されていない高血圧の人は、バイアグラを服用できません。
とくに、バイアグラには血圧を下げる効果があるため、高血圧の治療に関する特定の医薬品との相互作用が最大の懸念点です。

たとえば、降圧薬を処方されている方がバイアグラを服用すると、血圧が危険なレベルにまで低下する恐れがあります。
バイアグラの服用を検討している方は、必ず専門医の診察を受け、血圧管理に関して適切なアドバイスを受けてください。

糖尿病とEDの関係

糖尿病とED（勃起不全）の関係は非常に深く、糖尿病患者の2人に1人が中程度以上のEDを発症しているといわれています。
これは、糖尿病が血管や神経の機能障害を引き起こすため、ペニスへの血流が低下してしまい勃起が困難になるためです。
逆に、EDを診断された人の9割が糖尿病を併発しているという報告もあります。

このようなデータからも、糖尿病とEDはほぼセットであるといっても過言ではありません。
糖尿病の合併症としてのEDに悩む男性は、専門医の診察を受け、適切な治療をおこないましょう。
また、原因となっている糖尿病のコントロールがED改善につながるため、血糖値の管理も非常に重要です。

糖尿病の人がEDになりやすい理由

糖尿病による神経障害や海綿体の機能不全、動脈硬化を併発しやすいことがEDになりやすい理由です。
これらの疾患は、ペニスの血管の機能低下を引き起こし、男性の勃起能力に影響を及ぼします。

また、糖尿病は間接的にもEDのリスクを高めます。
たとえば、糖尿病患者に多いうつ病ですが、心因性EDの原因となるケースも少なくありません。
さらに、糖尿病の治療薬や降圧薬の副作用で、薬剤性EDになるケースも考えられます。
そのため直接的にも間接的にも、糖尿病は勃起に関する問題を引き起こしやすい疾患といえるでしょう。

糖尿病がEDの原因になっているか見分ける方法

糖尿病がEDの原因となっているかどうかの判断基準として、以下の症状を参考にしてください。

・勃起力の低下
・中折れ
・排尿障害
・両足底の違和感
・両足先のしびれ感
・足の裏のしびれ感

これらの症状に心当たりがあれば糖尿病によるEDの可能性があります。
また、神経障害や血糖値の異常も、EDの原因となることが報告されているので注意してください。

疑わしい症状があれば、早めに専門医による診察を受けましょう。
適切な治療や生活習慣の見直しにより、症状の改善や進行の防止に期待できます。

糖尿病によるEDを治療する方法

糖尿病の治療には、以下の2つの方法が考えられます。

・ED治療薬の服用
・血糖値のコントロール

糖尿病性EDの治療としては、バイアグラ、レビトラ、シアリスといったED治療薬の服用が第一の選択肢となります。
これらの治療薬は、ペニスの血管を拡張して勃起をサポートする作用があるので、糖尿病性EDにも有効です。

第二の選択肢として血糖値のコントロールをする場合は、血糖値とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の数値を抑える必要があります。
血糖値は空腹時130mg/dl未満、食後2時間180mg/dl未満に抑えることが重要です。
HbA1cは正常である6%未満を目指すのが理想ですが、合併症の予防や悪化を防ぐためにもまずは7%未満を目指しましょう。
これらの数値は、血液検査で調べることができます。

糖尿病性EDの悪化を防ぐ方法

糖尿病性EDの悪化を防ぐために重要なのは、血糖値のコントロールです。
血糖値が高いと、血管や神経が傷つき、勃起機能が低下してしまいます。
具体的な方法は、以下の通りです。

・食事療法
・運動療法
・薬物療法

食事療法は、血糖値を安定させるための基本的な方法です。
適切な食事を心がけることで、EDの予防や改善に期待できます。

運動療法も効果的です。
日常生活に運動を取り入れることで、血糖のコントロールや体の機能維持が促されます。

薬物療法も重要な選択肢の一つとなります。
糖尿病の治療薬やED治療薬を服用することで、症状の改善を図りましょう。

最後になりますが、糖尿病やEDの症状に気づいたら、早めに医師の診察を受けることをおすすめします。
専門医と相談し、適切な治療方法を選ぶことで、健康な日常を取り戻しましょう。