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ED(勃起不全)の治療法

ED(勃起不全)の治療法

現在日本では軽度の人も含めると成人男性の約4分の1。およそ1100万人の男性がED(勃起不全)の悩みを抱えていると言われています。
年齢は「30~40代」「50~60代」の人に多くなっています。

また、EDは自身の健康を見直すチャンスにもなります。

男性器が勃起しなくなるだけでなく、自分では気づかない動脈硬化やメタボリックシンドローム(高血圧、糖尿病)などの疾患が関連している場合もあります。

さらには健康を悪化させるだけでなくパートナーとの関係性を悪化させる要因になってしまうこともあります。

お互いが責任を感じてしまうことでセックスレスになってしまったり、トラウマになってしまったりすることがあるため、少しでも性行為時に不安に思うことがある際は恥ずかしがらずに早急に診察、治療することがなによりです。

勃起不全は早期発見、早期治療がなによりも大切だということを肝に銘じておきましょう。

ED(勃起不全)の治療法をタイプ別に紹介

ED(勃起不全)の治療法をタイプ別に紹介

ED(勃起不全)の治療法はたくさんあります。
主な治療法に「心理療法」「ICI治療」「手術による治療」「ED治療薬」があります。

勃起不全の治療は早期発見、早期治療することで回復しやすくなります。勃起不全の症状が少しでもある場合は、すぐに治療を始めることをおすすめします。

ED治療薬

現在、世界中のED(勃起不全)治療でもっともポピュラーなのがED治療薬を使用した治療法です。

服用することで男性器への血液の流入の邪魔をするPDE-5を阻害し血流を促進、きちんと流入させることで陰茎を勃起させます。

含まれている有効成分には共通してこの作用がありますが、「持続時間」「食事による影響」「効果のあらわれ方」「副作用」は成分によって異なります。

ED治療薬の有効性は約80%と非常に高いにも関わらず、脳に働く薬ではないため依存性がなく安心して服用することが可能です。

また万が一、間違ったタイミングでED治療薬を服用してしまったとしても性的刺激や興奮がない限り勃起することがないので普段通り過ごすことができます。

ただし、ED治療薬は服用できない人や条件付きで服用が可能な人もいます。現在薬を服用中の人、狭心症、心筋梗塞、肝機能障害を患っている人は医師に相談のうえで服用するようにしてください。

ED治療薬はジェネリック医薬品の種類も豊富で先発薬と同じ効果と安定性を持ちながら、価格を大幅に抑えることができるため経済的な負担を抑えて服用するできるのも人気の理由のひとつです。

ジェネリックの場合、添加物の追加が認められるため、シート状やドロップタイプなど、飲みやすさに特化したものや、早漏症状を防止する成分を配合した早漏防止薬とのダブル効果を持つジェネリック医薬品も開発されており、自分の症状やライフスタイルにあわせた治療薬を選択できるようになっています。

現在販売されている主なED治療薬は3大ED治療薬である「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」に加え「ステンドラ」「ザイデナ」があります。

ED治療薬の違い

バイアグラ レビトラ シアリス ステンドラ ザイデナ
画像 バイアグラ レビトラ シアリス ステンドラ ザイデナ
※画像はジェネリックのザイスマ
特徴 力強く硬い勃起力 即効性が高い 長時間作用
副作用の軽減
即効性がある
副作用が少ない
アジア人向け
長時間作用
副作用が少ない
即効性 約30分~1時間 約15~20分 約1時間~3時間 約15~30分 約30分~1時間
持続時間 約4~6時間 10mgで約5時間
20mgで約10時間
10mgで約20~24時間
20mgで約30~36時間
約3~6時間 約11~13時間
食事の影響 影響が大きい
空腹時の服用を推奨
影響は少ない
700kcalまでの食事なら影響を受けない。
影響は少ない
800kcalまでの食事なら影響を受けない
影響はほとんどない
適量であれば影響を受けない
影響はほとんどない
適量であれば影響を受けない
アルコールの影響 影響が大きい
飲酒は控えた方が良い
影響は少ない
適量を超えない程度に留める。
影響は少ない
少量であれば影響は受けない
適量であればほぼ影響を受けない 影響は少ない
少量であれば影響は受けない
メーカー ファイザー バイエル 日本イーライリリー ヴィーヴァス ドンエーファーマ

心理療法

心理療法

心理療法とは現実心因と深層心因によって治療法が異なります。

自分自身で治療する方法のほかにもパートナーに協力してもらいながら治療する方法があります。

まず「勃起をしない」「挿入しない」ことを前提とした性行為を行い、それを繰り返すことで心理的なプレッシャーを取り除き勃起不全を改善するといった方法です。

現実心因

現実心因とは日常生活の中で生まれるストレスを原因とします。

現実心因の場合はカウンセリング、暗示療法、リラクゼーション、再教育療法、自律訓練法、行動療法といった非分析的アプローチによる治療方法となります。

深層心因

深層心因というのは現実心因とは異なり、心の深いところに埋まっているストレスを原因とします。

深層心因の場合は精神分析、簡易分析、分析的精神療法、交流分析といった分析的アプローチによる治療方法となります。


心理療法を行う場合料金は平均で1時間約1万円となっています。
ゆっくりと時間をかけて心のケアをしていくといった治療になるため、長期間かかってしまうこともあります。

ICI治療

ICI療法

現在のED(勃起不全)治療の主流となっているED治療薬もすべてのED症状を改善するものではありません。

ED治療薬で効果がない場合や、ED治療薬を服用することができない心疾患のある方、人工透析中の方、硝酸薬を服用中の方などに有効な治療法がICI治療といわれる方法で、陰茎に直接薬剤を注射して治療する方法です。

太さ0.3mmの針がついた注射器を使って自分で注射します。

薬剤の効果によって陰茎部周辺の血管を拡張させ大量の血液を陰茎部に流しこみ。、注射後約5~10分で勃起がはじまり、約1時間30分~2時間効果が持続します。

この方法は比較的手順も簡単で、副作用が少ないと言われる点がメリットですが、強制的な方法になるので感度が大幅に下がる可能性があります。

さらに使用回数は週に2回という制限もあり、実施される医療機関も少ないため、専門医のいない場合は原則治療することができません。

1回分の費用は約6000円~10000円となっていて診察料が別途かかります。

また、ICI療法は日本で認可が下りていない治療法となるため、自己責任で使用することが前提となっています。

手術による治療

手術による治療

ED(勃起不全)と診断された場合、心理テスト、血管系検査、生理的勃起機能検査、内分泌検査、神経系検査といった検査で心因性ではないと特定された場合、最初はED治療薬での治療が第1選択となりますが、それでも効果が得られなかった人は外科手術によって治療することになります。

血管性EDはバイパス手術やカテーテル手術など複雑で難易度の高い手術となります。
内分泌系EDは勃起や性欲に関わる男性ホルモン(テストステロン)の低下が原因で引き起こされるため、男性ホルモン補充療法が取られます。
また陰茎の湾曲や陰茎硬化症でも手術が選択されます。

どれも適用できない場合は、最終的な治療方法として陰茎周辺にシリコンを埋め込む陰茎プロステーシスという移植術もあります。

血管手術

血管性EDには動脈性勃起不全と静脈性勃起不全があります。

【動脈性勃起不全】

内陰部動脈、陰茎背動脈、海綿体動脈などの血管の閉塞によって血流が悪くなることで起こります。
下腹壁動脈を用いたバイパス手術、カテーテル手術により血管の閉塞を取り除く血管拡張手術を行います。
手術には約4時間かかり、成功率は約60%程度と失敗も多い方法です。
副作用として陰茎のむくみ、持続性勃起症、陰茎知覚低下が報告されています。

【静脈性勃起不全】

血液が陰茎から流出してしまい陰茎に血液を留める事ができないことで起こります。
深陰茎背静脈の切除や陰茎脚結紮手術という手術を用いて治療を行います。
術後1年経ち効果が持続している可能性は50%以下となっています。
術後に新しい静脈ができると再度勃起不全になる可能性があります。
副作用として、陰茎背神経障害、陰茎包皮のむくみが報告されています。

陰茎形成術

先天性の陰茎湾曲症や陰茎硬化症(ペロニー病)は、陰茎が曲がることで性行為に支障をきたすことから、勃起不全の1つとされています。

湾曲によって挿入が不可能、または難しい状態であったり、挿入時に痛みを伴う場合は手術が必要となります。

まず陰茎包皮を剥離し、海綿体白膜を癒着しやすいよう薄く削り縫い縮めるという「プリケーション法」があります。

重度の場合は静脈移植手術が取られることもあります。

陰茎形成術は保険適用の場合がありますが、もともとが高額なので自己負担額も高めとなっています。

また、複雑な手術になるため湾曲が残ったり、手術によって勃起力が低下する可能性があるというデメリットのある治療方法となります。

男性ホルモン補充療法

男性ホルモン補充療法は男性ホルモンである血中のテストステロン値の低下がEDの原因となっている場合に有効です。

男性ホルモンであるテストステロンを直接体内に注入する治療法で、性機能、血液造成、動脈硬化、メタボリックシンドロームといった身体の機能や脳の認知機能に働きかけ勃起障害を改善します。

とはいえ、男性ホルモン補充のみでEDを治療することは難しく、ED治療薬と併用することが一般的となっています。

副作用は前立腺がん、肝機能障害、多血症といったものが報告されています。
これらの症状がある人は補充療法を受けられない場合もあります。

陰茎プロステーシス移植術

他の治療法を行えなかったり、効果がでなかったりする人に対しての、ED治療の最終手段となるのが陰茎プロステーシス移植手術です。

この手術はシリコンや器具を陰茎、または陰茎周辺に埋め込むことでEDを改善するものです。

自在に折り曲げることができるシリコンを使ったり、ポンプ式で水を移動させることで、疑似的な勃起を作りあげることができます。

手術が成功した場合は100%の確率で性交が可能になります。

デメリットとしては手術をすると元の状態には戻らなくなること。
また感染症や器具の故障が発生した場合には器具の除去や再手術が必要となります。

陰茎プロステーシス移植術は自然な勃起回復の可能性がなくなってしまう治療方法となっています。

ED治療にかかる費用について

ED治療にかかる費用について

EDの治療は日常生活に支障がなく、「生活の質を向上させるもの」とされ、美容目的の整形やホワイトニングなどの審美歯科と同様、ほとんどのケースが健康保険の適用外となります。
そのため診察料や手術料は高額となる場合があります。

症状の程度や違いによって金額には開きがありますが、初診料、再診料で数千円~、ホルモン補充療法は1回につき約数万円かかり、そのうえ継続する必要があります。

手術にいたっては約数万円~数十万円となり、さらに通院が必要となるため時間とお金がかかります。そのうえ再発の可能性もあります。

このようにED治療は、実費になるため治療が長引いた分、費用がかかってしまうことになります。

ED治療薬に関してはジェネリック医薬品を使うことで比較的経済的に治療することができます。
病院でED治療薬を処方してもらうと、1錠あたり約1500~2000円が相場ですがジェネリックであれば半額以下で手に入れることが可能です。

高額になればなるほど、また症状が重いほど経済的負担は大きくなります。
症状の軽いうちに診察を受け、しっかりと治療していけるようにしましょう。

生活習慣から治すED改善・予防方法

生活習慣から治すED改善・予防方法

ED(勃起不全)を改善することも大切ですが、まずは勃起不全にならないようにすることが重要です。

改善と予防、どちらにも有効なのが生活習慣の見直しです。

そのためには身体と心のバランスを正常に維持することが大切です。

生活習慣を見直す方法はすぐにでも開始できます。
無理のない範囲で積極的に取り入れてみるようにしましょう。

食生活の改善

EDの原因の大きな要素として、男性器への血液流入が落ちる血管の機能低下があります。

不規則な食生活(脂肪のとりすぎ、1日のカロリーオーバー)を繰り返すと血流の流れが悪くなり本来の血管の機能が上手く働かず、動脈硬化になる可能性が高くなります。
動脈硬化になると勃起時に必要な血液が男性器に流れなくなってしまい勃起不全へと繋がります。

EDの重症化、身体への健康リスクを予防するためにも動脈硬化のリスクを軽減する食材を積極的に取りいれるようにしましょう。

・週2回、「サバ」「サンマ」「イワシ」といった青魚を摂取する。
・水溶性食物繊維である「にんじん」「ごぼう」「さつまいも」「海藻類」「納豆」などを積極的に摂取する。
・血液を健康にする作用のある大豆に含まれるイソフラボンを日常的に摂取する。

運動を習慣に取り入れる

ED(勃起不全)と肥満の関連性は非常に高いとされていて、BMI値(ボディマス指数という身長と体重の関係から算出する、肥満度を示す指数)が高ければ高いほど勃起不全のリスクが上昇するという海外のデータがあります。

運動不足は血行不良を招く原因の1つです。
全く運動していない人は週2時間以上ランニングしている人と比べて、勃起不全の発症リスクは約3倍高くなるといわれています。

さらに下半身の筋肉が落ちることで勃起力が落ちるとされており、スクワットや下半身の運動を取り入れることで勃起不全を予防することができます。

そのうえ運動することは、血流の流れを促進するだけでなく男性ホルモンを増加させることができるといわれています。

勃起不全の改善に効果が高いとされているおすすめの運動は、ウォーキング、ランニング、水泳などの「有酸素運動」です。

1週間に3時間以上の運動が目安です。
4週間ほど継続することで勃起不全の予防と改善に大きな効果を発揮します。

ED改善におすすめの運動

ED(勃起不全)の改善・予防に効果が高いとされているおすすめの運動はウォーキング、ランニング、水泳などの「有酸素運動」です。

目安として1週間に3時間以上の運動が必要とされ、4週間ほど継続することでEDの予防、改善効果に期待がもてるとされています。

定期的なストレス発散

ED(勃起不全)はストレスや心理的プレッシャー、トラウマといった精神面が原因で引き起こされることが多く、勃起不全になる人のほとんどに多かれ少なかれ当てはまるといわれています。

1番の解決方法はストレスを溜めずに生活することですが、実生活において簡単に解決できるものではありません。

ストレスは溜め続けることでED以外の部分でも悪影響を及ぼします。

カラオケで大きな声を出して歌う、趣味に没頭する、開放的な場所に行く、素敵な映画を見て思いっきり泣くなど発散方法は人それぞれです。

自分に合ったストレス発散の方法を見つけることが大切です。

特に趣味がないという人は、ムリにみつけようとしてしまうと、それがまたストレスになってしまうといったこともあります。

好きな食べ物を食べる、いつもよりたくさん寝るというだけでも充分です。

自分が楽しいと思えることや喜びにつながるものを実行し、うまくストレスを発散できるようにしてみましょう。

ED(勃起不全)は早めに治療

ED(勃起不全)は早めに治療

ED(勃起不全)は誰にでも起こりうる性機能障害です。

年齢を重ねれば重ねるほどED(勃起不全)になる人は増えていきます。
生活習慣の乱れや運動不足、タバコや過度のアルコールも影響します。

ひと昔前まではEDはインポテンツやインポと呼ばれ、注射や外科的な手術が主流となっていましたが、1998年に勃起の反応を高めるED治療薬バイアグラが発売されるとともに、EDは多くの患者にとって身近に治療ができるものとなりました。

それと同時にEDという言葉が浸透し、ED治療薬(PE-5阻害剤)はED治療の第1選択となりました。

気軽に治療することが可能になったとはいえきちんと改善するには時間と根気強さが必要となります。

まずは、生活習慣や食生活を見直すことです。
軽度の場合であれば改善効果があらわれることもあります。

効果があらわれない場合にはED治療薬を利用するなど、治療にかかる時間や費用も考えながら自分に合った改善方法を見つけましょう。

参考サイト:
勃起不全-ウィキペディア