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メトホルミンの飲み合わせについて知ろう!
メトホルミンには飲み合わせることで、効果が得られなかったり副作用を引き起こしやすくなる相性の悪い医薬品や食べ物などがあります。
その一方で、メトホルミンと相性が良く、併用により相乗効果が見込める医薬品もあります。
そこで、
「具体的にどんな医薬品や食べ物と飲み合わせが悪いの?」
「市販薬と併用してもいい?」
「メトホルミンとの併用で相性が良い医薬品は?」
といった疑問をお持ちではないでしょうか。
この記事では、メトホルミンの飲み合わせに関するお悩みを、メトホルミンと相性が良いか悪いかの観点から解説していきます。
メトホルミンと飲み合わせて良いものと悪いものが知りたい人は、ぜひ最後までご覧ください。
- メトホルミンの飲み合わせ|併用禁忌薬
- メトホルミンの飲み合わせ|併用注意薬
- 副作用が出やすくなる医薬品
- 血糖値を下げる作用を強める医薬品
- 血糖値を下げる作用を弱める医薬品
- メトホルミンの作用に影響する恐れがある医薬品
- 漢方薬・市販の風邪薬・サプリの成分にも注意
- メトホルミンの飲み合わせ|飲み物や食べ物
- メトホルミンの飲み合わせ|相性が良い医薬品
- メトホルミンとリベルサスの飲み合わせ
- メトホルミンとフォシーガの飲み合わせ
- メトホルミンとゼニカルの飲み合わせ
- まとめ
- Q&A
- Q.メトホルミンとロキソニンは飲み合わせてもいい?
- Q.低用量ピルとメトホルミンは併用して良い?
- Q.睡眠薬とメトホルミンは併用して良い?
メトホルミンの飲み合わせ|併用禁忌薬
メトホルミンには、飲み合わせてはいけない併用禁忌薬はありません。
しかし、併用するときに注意が必要な併用注意薬には様々な種類があります。
併用禁忌薬はないものの、メトホルミン服用中の過度のアルコール摂取は禁忌とされています。
過度のアルコール摂取は、メトホルミンの重大な副作用である乳酸アシドーシスを引き起こす要因となるからです。
メトホルミンには併用禁忌薬はありませんが、メトホルミンを服用中は過度のアルコール摂取は避けてください。
メトホルミンの飲み合わせ|併用注意薬
メトホルミンの併用注意薬には、以下のような医薬品が該当します。
・メトホルミンの副作用が出やすくなる医薬品
・メトホルミンの血糖値を下げる作用を強める医薬品
・メトホルミンの血糖値を下げる作用を弱める医薬品
・その他メトホルミンの作用に影響する医薬品
これはメトホルミンとの併用によって、乳酸アシドーシスや消化器症状、低血糖などの副作用を引き起こす可能性があるからです。
常用している医薬品がある人や、メトホルミンを服用中に他の医薬品を飲むときは、併用注意薬ではないかよく確認しましょう。
次の項目では、具体的に何の医薬品が併用注意薬に該当するか、それぞれ詳しく解説します。
副作用が出やすくなる医薬品
メトホルミンとの飲み合わせで、副作用が出やすくなる医薬品は以下の通りです。
副作用が出やすくなる医薬品 | 原因 |
---|---|
【ヨード造影剤】 【腎毒性の強い抗生物質】 ゲンタマイシン等 |
腎機能が低下してメトホルミンの排泄が低下してしまう可能性があるため |
【利尿作用を有する薬剤】 利尿剤 SGLT2阻害剤 等 |
利尿作用による体液量の減少で脱水状態に陥りやすくなるため |
【イメグリミン塩酸塩】 | 併用初期に消化器症状が出やすくなるため |
これらの医薬品との併用で懸念される副作用は、乳酸アシドーシスと消化器症状です。
乳酸アシドーシスを発症すると、以下の症状が現れます。
・消化器症状(下痢や吐き気など)
・倦怠感
・筋肉痛
・過呼吸
消化器症状は、乳酸アシドーシスでなくてもメトホルミンを飲むと出やすい副作用です。
乳酸アシドーシスの初期症状かどうかの判別は難しいため、もしかしてと感じたら速やかに医療機関を受診しましょう。
血糖値を下げる作用を強める医薬品
メトホルミンとの飲み合わせで、血糖値を下げる作用が強くなる医薬品は以下の通りです。
血糖値を下げる作用を強める医薬品 | 原因 |
---|---|
【糖尿病用薬】 インスリン製剤 スルホニルウレア剤 速効型インスリン分泌促進薬 α-グルコシダーゼ阻害剤 チアゾリジン系薬剤 DPP-4阻害剤 GLP-1受容体作動薬 SGLT2阻害剤 イメグリミン塩酸塩 等 |
併用によって血糖値を下げる効果が強まってしまい低血糖を引き起こしやすくなるため |
【たん白同化ホルモン剤】 | 機序不明 |
【サリチル酸剤】 アスピリン 等 |
サリチル酸剤の血糖値を下げる効果 |
【β遮断剤】 プロプラノロール 等 |
β遮断作用によってアドレナリンを介した低血糖からの回復を遅らせるため |
【モノアミン酸化酵素阻害剤】 | モノアミン酸化酵素阻害剤によるインスリン分泌促進と糖新生の抑制 |
メトホルミンと併用すると血糖値が下がりすぎてしまい、低血糖を引き起こす恐れがあります。
なお、アスピリンは総合風邪薬やバファリンAなどの解熱鎮痛剤に配合されていることが多いので注意が必要です。
市販の風邪薬や鎮痛剤を購入するときは、成分をよく確認することが大切です。
メトホルミンの服用中は低血糖に注意しましょう。
もし、低血糖の症状が出た場合は、ブドウ糖などの糖分を取ってください。
血糖値を下げる作用を弱める医薬品
メトホルミンとの飲み合わせで、血糖値を下げる作用が弱くなる医薬品は以下の通りです。
血糖値を下げる作用を弱める医薬品 | 原因 |
---|---|
【アドレナリン】 | アドレナリンによる末梢での糖利用抑制、肝臓での糖新生促進、インスリン分泌抑制 |
【副腎皮質ホルモン】 | 副腎皮質ホルモンによる肝臓での糖新生の促進等 |
【甲状腺ホルモン】 | 甲状腺ホルモンは糖代謝全般に作用して血糖値を変動させるため |
【卵胞ホルモン】 | 卵胞ホルモンには耐糖能を変化させて血糖を上昇させる作用があるため |
【利尿剤】 | カリウム喪失によるインスリン分泌の低下 |
【ピラジナミド】 | 機序不明 |
【イソニアジド】 | イソニアジドによる炭水化物代謝阻害 |
【ニコチン酸】 | ニコチン酸による血糖上昇作用 |
【フェノチアジン系薬剤】 | フェノチアジン系薬剤によるインスリン分泌抑制、副腎からのアドレナリン遊離 |
血糖値を下げる作用が弱くなる医薬品は、主に副腎皮質ホルモン(ステロイド)や甲状腺ホルモン(チラーヂン)、利尿剤、結核の治療薬、抗精神病薬などです。
現在飲んでいる医薬品がある人は、表の中に当てはまるものがないか確認しておきましょう。
メトホルミンの作用に影響する恐れがある医薬品
メトホルミンとの飲み合わせで、作用に影響する恐れがある医薬品は以下の通りです。
作用に影響する医薬品 | 原因 |
---|---|
【OCT2、MATE1、又はMATE2-Kを阻害する薬剤】 シメチジン ドルテグラビル ビクテグラビル バンデタニブ イサブコナゾニウム硫酸塩 ピミテスピブ 等 |
OCT2、MATE1、又はMATE2-Kを介してメトホルミンの腎排泄が阻害されるため |
これらの医薬品とメトホルミンを併用すると、メトホルミンの腎排泄が阻害されて血中濃度が上がり、作用が強くなる恐れがあります。
メトホルミンの腎排泄が阻害されて血中濃度が上昇すると、乳酸アシドーシスを引き起こす可能性が高くなるため注意が必要です。
漢方薬・市販の風邪薬・サプリの成分にも注意
メトホルミンとの併用で、注意が必要な漢方薬や市販薬、サプリは以下の通りです。
・風邪薬(プソイドエフェドリン、エフェドリン、メチルエフェドリン)
・漢方薬(麻黄:麻黄湯、葛根湯)
・サプリメント(セサミン、DHA)
・市販のカンジダ治療薬
漢方薬や市販の風邪薬、カンジダ治療薬、サプリなどに含まれる成分の中には、血圧や血糖値を上昇させるものがあります。
血圧や血糖コントロールの乱れは、糖尿病の悪化や副作用を引き起こすことにつながります。
市販の風邪薬は購入する機会も多いと思いますが、血糖コントロールに影響しない成分のものを選びましょう。
市販薬やサプリにも、飲み合わせに注意するべきものがあります。
安心してメトホルミンを飲むためには、避けた方がいい成分などを知っておくことが大切です。
メトホルミンの飲み合わせ|飲み物や食べ物
メトホルミンを服用中に注意が必要な飲み物や食べ物は、アルコールとニコチン酸(ナイアシン)を多く含む食べ物です。
メトホルミン服用中の過度なアルコール摂取は、乳酸アシドーシスを引き起こす要因となるため禁忌とされています。
大量にアルコールを摂取したときは、メトホルミンの服用を一時的に中止してください。
ただし、適量であればメトホルミンの服用中にアルコールを摂取しても問題ありません。
そして、以下の食べ物はニコチン酸が多く含まれています。
・まいたけ
・たらこ
・インスタントコーヒー
・落花生
・マグロ
・カツオ
・サバ
・レバー(牛・豚・鶏)など
ニコチン酸を多く含む食べ物は、メトホルミンの血糖値を下げる作用を弱める可能性があります。
ただし、強くメトホルミンの作用を抑え込んでしまうわけではないため、食べ過ぎなければ問題ありません。
メトホルミンを服用中は、医薬品だけでなく組み合わせる飲み物や食べ物にも注意しましょう。
なお、メトホルミンを服用中に飲めるアルコールの量については、別の記事で詳しく解説しています。
お酒をよく飲む人は、こちらもあわせてお読みください。
メトホルミンの飲み合わせ|相性が良い医薬品
メトホルミンとの飲み合わせで、相性が良い医薬品は以下の通りです。
・DPP-4 阻害薬
・リベルサス
・フォシーガ
・ゼニカル
・ジャディアンス
・カナグルなど
DPP-4 阻害薬とメトホルミンを併用すると、それぞれを単体で使用したときより血糖コントロールが良くなることが期待できます。
DPP-4 阻害薬とメトホルミンの併用によりGLP-1を分泌する作用が増強され、食後の血糖値の上昇が抑制されたという試験結果もあるのです。
また、メクメットやイニシンク、メトアナなどDPP-4 阻害薬とメトホルミンの成分を合わせた配合錠もあります。
そして、リベルサスやフォシーガ、ゼニカル、ジャディアンス、カナグルはメトホルミンと併用することで、より高いダイエット効果が期待できます。
ただし、DPP-4 阻害薬、リベルサス、フォシーガ、ジャディアンス、カナグルはメトホルミンの併用注意薬です。
併用すると効果が高まる一方で、副作用などのリスクも高くなるため注意しましょう。
メトホルミンは、相性の良い医薬品との併用によって効果を高めることが可能です。
しかし、他の医薬品との併用には副作用などのリスクが伴うため、正しい知識を持つ必要があります。
メトホルミンとリベルサスの飲み合わせ
メトホルミンとリベルサスの飲み合わせは、より高いダイエット効果が期待できます。
どちらも血糖値を下げる作用と食欲を抑制する作用があり、異なる作用機序で効果を発揮します。
メトホルミンとリベルサスは、どちらもダイエット効果が期待でき、併用によって更なる相乗効果が見込めるのです。
ただし、リベルサスはメトホルミンの併用注意薬のGLP-1受容体作動薬に分類される医薬品のため、併用するときは注意が必要になります。
メトホルミンとリベルサスの違いや併用については、別の記事で詳しく解説しています。
こちらもあわせてお読みください。
メトホルミンとフォシーガの飲み合わせ
メトホルミンとフォシーガの飲み合わせによって、以下の3つの効果が得られます。
・糖分の排出量が増える
・筋肉の減少を抑えて脂肪の燃焼が促進される
・空腹感が抑えられる
また、メトホルミンとフォシーガを併用して飲み始めてから24週間で約2.96㎏体重が減少したという研究結果もあります。
このように、メトホルミンとフォシーガの飲み合わせは、より高いダイエット効果が期待できるのです。
ただし、フォシーガはメトホルミンの併用注意薬のSGLT2阻害薬に分類される医薬品のため、併用するときは注意が必要です。
メトホルミンとフォシーガの併用については、別の記事で詳しく解説しています。
こちらもあわせてお読みください。
メトホルミンとゼニカルの飲み合わせ
メトホルミンとゼニカルの飲み合わせは、糖質と脂質の吸収が抑制できます。
メトホルミンの血糖値を下げる作用と代謝を上げる作用によって、体に糖が蓄積しにくくなります。
また、食欲を抑制する作用もあるため、食事量が自然に減って体重減少につながるのです。
そして、ゼニカルは脂肪吸収を抑制し、分解されなかった脂肪を便として排出することで摂取カロリーを抑えます。
なお、ゼニカルはリベルサスやフォシーガと違って、メトホルミンの併用注意薬ではありません。
メトホルミンとゼニカルは、異なる作用によって食事から摂取するカロリーを減らし、無理なく体重減少を目指せるのです。
メトホルミンとゼニカルの併用については、別の記事で詳しく解説しています。
糖質と脂質が多く含まれる食事をしている人は、こちらもあわせてお読みください。
まとめ
ここまでにお伝えしたことのポイントをまとめました。
- メトホルミンに併用禁忌薬はないが、過度のアルコール摂取は禁忌
- メトホルミンと以下の医薬品の飲み合わせには注意が必要
副作用を引き起こしやすくなる医薬品
血糖値を下げる作用を強めたり、弱めたりする医薬品
メトホルミンの作用に影響する恐れがある医薬品 - 漢方薬や市販の風邪薬、サプリ、食べ物の成分にも注意する
これからメトホルミンの服用を考えている人で、常用している医薬品や漢方薬、サプリなどがある人は、飲み合わせに問題がないか事前に確認しましょう。
Q&A
メトホルミンの飲み合わせについてのよくある質問にお答えします。
Q.メトホルミンとロキソニンは飲み合わせてもいい?
A. メトホルミンとロキソニンは、併用可能です。
また、他の鎮痛剤のカロナールやイブなども併用可能です。
Q.低用量ピルとメトホルミンは併用して良い?
A. メトホルミンとピルは併用しても問題ありません。
ただし、糖尿病の人や肥満の人はピルの服用に慎重な判断が必要になるため、医師に相談しましょう。
Q.睡眠薬とメトホルミンは併用して良い?
A. 睡眠薬はメトホルミンの併用禁忌薬や併用注意薬に指定されていないため、併用しても問題ありません。
しかし、血糖値を下げる作用がある睡眠薬の場合は、血糖値が下がりすぎてしまう可能性があるため注意が必要です。
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