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前立腺肥大とは

前立腺肥大とは

前立腺肥大とは、前立腺が肥大してさまざまな排尿の障害を引き起こす病気です。

前立腺が肥大する詳しい原因はわかっていませんが、前立腺の機能を維持している男性ホルモンの変化が原因といわれています。

男性ホルモンの変化は主に加齢により起こりますが、その他にも遺伝的要因、食生活、肥満、高血圧、高血糖などが挙げられます。

その発症頻度は50歳代以上の約20%が発症しているともいわれ、年齢が上がるにつれてその可能性は上昇しています。
前立腺肥大はすぐに命にかかわる病気ではありませんが、男性であれば誰もが発症する可能性があります。

前立腺肥大にかかってしまうと男性機能の低下も起こるので、日常から尿の出方に違和感がないか注意することが必要です。

前立腺の役割

前立腺は男性にしかない生殖器のひとつで、前立腺液といわれる精液の一部をつくっています。
前立腺液は精液の約5~10%を占め精子に栄養を与えたり、精子を保護するなど男性機能に重要な役割を担っています。

この前立腺の働きは、男性ホルモンの一種であるテストステロンにより維持されています。
前立腺が正常に機能しないと、精子に栄養がいかず男性不妊症の原因になるとされています。

前立腺は直腸と恥骨の間にあり、膀胱の出口で尿道を取り囲んでいます。
一般的な成人男性の前立腺の大きさは「くるみほどの大きさ」といわれていますが、前立腺が肥大してしまうとみかんや卵ほどの大きさになって尿道や膀胱を圧迫し、さまざまな症状があらわれます。

前立腺肥大の症状

前立腺肥大の症状

前立腺肥大では、主に尿の出方に異常があらわれます。

前立腺が膀胱の下にあるので肥大すると尿道を圧迫して、排尿に障害が起こります。

尿が出にくいだけの軽度なものから、まったく排尿ができなくなる重度のものまで症状の程度はさまざまです。

すぐに命にかかわるような症状は少ないですが、放置してしまうと合併症を引き起こすことがありますので思い当たる人は治療が必要です。

下記が主な症状です。

頻尿

頻尿というのはトイレが近く、短い時間に何度もトイレにいってしまう。
いざトイレに行っても、少量しか尿がでない症状のこと。

夜間頻尿

夜間頻尿というのは日中は気にならないが、なんどもトイレで目が覚めてしまう。
いざトイレに行っても少量しか尿が出ない症状のこと。

排尿遅延

排尿遅延というのは尿の出方が悪く、排泄まで時間がかかる。
尿の出方に勢いがない症状のこと。

残尿感

残尿感というのは尿を出してもまだ残っている感じがする。
尿のキレが悪い症状のこと。

排尿困難

排尿困難というのは前立腺が肥大し尿道を圧迫することで、尿の通り道がふさがれ尿が出なくなってしまう症状のこと。
正常な排尿が起こらなくなってしまうと、体内の毒素が外に出せず腎機能に影響が出る。

前立腺肥大の原因

前立腺肥大の原因は、主に加齢により男性ホルモンの分泌が減ることで起こるとされています。
男性ホルモンの分泌には個人差があるので、すべての男性に起こるとは限りませんが、50歳代以上の男性の多くに前立腺肥大の症状が見られています。

加齢により、前立腺の機能を維持しているテストステロンの分泌が減り、同じ男性ホルモンのジヒドロテストステロンの分泌が増えることで起こるのです。

その他にも遺伝や、高血圧、高血糖、肥満などの別の病気により引き起こされることもあります。
過度な喫煙や乱れた食生活でも前立腺肥大が起こるという報告もありますので、規則正しい生活や食生活をこころがけることが必要です。

前立腺肥大を放置すると

前立腺肥大を放置すると

前立腺肥大を放置することですぐに命にかかわることはありませんが、前立腺肥大は進行性の病気です。

自然に回復することはなく、なにも対処をしなければどんどん悪化してしまいます。

前立腺肥大を放置してしまうと、排尿障害の悪化や男性機能の低下を招くだけでなく、合併症を引き起こします。

日常生活に支障がでるばかりか、重症の人だと障害が残ることもありますので、排尿に関して思い当たることがある人は注意が必要です。

下記は前立腺肥大を放置することで起こる合併症の一部です。

尿閉

尿閉とは、排尿がほとんどできなくなった状態です。

膀胱が尿でいっぱいになり、強い尿意があっても排尿できない、非常につらい状態になります。
尿閉は2種類存在し、一切排尿ができない完全尿閉と多少排尿が可能な不完全尿閉が存在します。

不完全尿閉の場合はさほど痛みを感じないとされていますが、完全尿閉の場合はかなりの激痛を伴うと言われています。

尿閉を改善させるためには尿を体外に出さなければなりません。
尿道から膀胱まで細い管を通し、膀胱にたまった尿を排出させる「導尿」が必要になります。
自分で尿を出すことができなくなるので、看護が必要になるのです。

尿路感染・膀胱結石

尿路感染は膀胱に尿がたまっている時間が長くなることで起こる症状です。

尿の中では細菌が繁殖しやすく、尿がたまった状態が続くと感染症にかかりやすくなるのです。

また、尿の成分が固まる「結石」ができ、膀胱結石を引き起こしてしまう可能性があります。
この2つは痛みや発熱が起こり、急激に悪化することもあります。

腎機能低下

尿が出にくくなって膀胱がいっぱいの状態が続くと、尿をつくっている腎臓にも負担がかかり、症状の重い人は「腎機能障害」を起こすことがあります。

腎機能が低下した状態が続けば、高血圧になり心臓病や脳卒中のリスクも高まります。

前立腺肥大とEDの関係

前立腺肥大とEDの関係

前立腺肥大の症状がある人はEDの症状も出ることがあります。

前立腺肥大もEDも加齢や男性ホルモンの変化により引き起こされるため、併発することが多い病気なのです。

並行して両方の治療を行う人もいますが、前立腺肥大の治療の副作用でEDが発症する可能性があります。

前立腺肥大の治療のひとつに手術があり、前立腺切除術が行われます。
この手術では電気治療の必要があり、これにより勃起機能が低下する可能性があるとされています。

また、手術による精神的なダメージもあり、これもEDに影響を与えているとされています。前立腺肥大が起こると陰茎周辺の血管を圧迫するので、血流が悪くなり勃起が起こりづらくなります。

前立腺肥大の検査

前立腺肥大の検査

前立腺肥大の検査は、泌尿器科で専門的診察を行っています。

必ず行う検査として「自覚症状の評価」「直腸内指診」「尿検査」「尿流測定」「残尿測定」「血清PSA(前立腺特異抗原)測定」「前立腺超音波検査」など、さまざまな検査を行い前立腺肥大と診断されます。

病院に行く前に自覚症状のチェックを行うことで、病院で検査を受けるべきか判断する基準になります。

下記が自覚症状のチェックの質問です。3つ以上当てはまる人は、病院の受診が必要です。

・尿が近くなり、夜間にトイレに起きることが多くなった
・排尿しようとしても、なかなか出てこないことがある
・尿が細く、勢いがない
・排尿に時間がかかる
・排尿のとき、尿が何回も途切れたり、出なかったりする
・尿を出し切った感じがしない
・お酒を飲んだあと、尿が出なくなったことがある
・腹が痛くなったり、足がむくんだりする
・排尿するときに痛みがある
・高熱や寒気、震えがある

※ご利用上の注意

自覚症状のチェックは、前立腺肥大の特徴的な症状に対する一般的な傾向をチェックするものです。
症状に対し、個別の診断を行うものではありません。
気になる症状のある方は、医師にご相談ください。

前立腺肥大の治療法

前立腺肥大の治療法

前立腺肥大には、薬物による治療、ホルモン剤による治療、手術による治療があります。

尿閉、尿路感染、膀胱結石、腎機能低下がみられる場合は、手術治療が行われますが、それ以外の場合は、まず薬による治療が行われます。

手術治療は身体に負担がかかるうえに、前立腺周辺は繊細な組織が多く手術により組織を傷つけてしまう恐れもあるからです。
まず、適正な検査により前立腺肥大の症状を確認し、適正な治療を行う必要があります。

薬による治療

前立腺肥大の治療で最も多いのは薬による治療です。

軽度な前立腺肥大は薬で治療することが可能です。使用する薬により副作用が起こることもありますが、手術と比べると身体への負担が少なくなります。治療に使用される薬はいくつか種類があります。

下記が前立腺肥大の治療に使用される薬です。

α1受容体遮断薬

α1受容体遮断薬は前立腺肥大により起こる排尿困難の薬として、最も多く使われている薬です。
前立腺が肥大することで起こる平滑筋の緊張状態を抑え、前立腺を弛緩させます。それにより前立腺の尿道に対する圧迫を軽減します。
副作用にめまいや射精障害が報告されています。

5α還元酵素阻害薬

5α還元酵素阻害薬は前立腺肥大の原因になる、男性ホルモンのジヒドロテストステロンの働きを抑える作用があります。
前立腺肥大を抑え、なおかつ肥大した前立腺が縮小します。
この薬を長期間服用することにより、肥大した前立腺が縮小して、排尿困難の症状を改善します。
5α還元酵素阻害薬の成分である、「フィナステリド」と「デュタステリド」は別ページに詳細を記載しています。

PDE-5阻害薬

PDE-5阻害薬はEDの治療薬としても使用されています。
PCF-5阻害薬は使用することで血管を拡張させ、前立腺肥大による尿道への圧迫を減らし、排尿障害を改善します。
PDE-5阻害薬として有名な薬はザルティアという薬です。
こちらはED治療薬のシアリスに配合されている、タダラフィルが主成分として使用されています。

抗ホルモン剤の投与

前立腺肥大は、男性ホルモンのジヒドロテストステロンの作用により起こるとされています。
そのため、男性ホルモンの作用を抑えることにより、前立腺を小さくすることを目的とした薬です。
治療の効果が出るまでに数ヶ月かかります。
副作用として、勃起障害が起こるほかに、前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAを減少させる作用があり、前立腺がんの発生を隠してしまう可能性があります。
そのため、この薬を服用する時には前立腺がんの合併に特に注意をはらう必要があり、現在では抗男性ホルモン剤の投与はごく限られた患者のみとなっています。

手術

薬物治療を行っても、症状の十分な改善が得られない場合や、尿閉、尿路感染を繰り返す場合、あるいは膀胱に結石ができたり、腎機能障害が発生した場合には手術による治療が行われます。
巨大な前立腺肥大の場合には、開腹手術により肥大した前立腺を摘出することがありますが、通常は尿道から内視鏡を挿入して行う手術が行われます。
最近では、レーザーによる内視鏡手術も行われています。

前立腺肥大を予防するには

前立腺肥大を予防するには

前立腺肥大症は、日常生活に気をつけるだけでも予防することができます。
男性ホルモンの正常な分泌を促し、食事や生活習慣に気を付けることで可能です。
また、症状の悪化を防ぐことができますので、男性機能の維持のためにも注意が必要です。

食事の改善

食の欧米化により前立腺肥大にかかる人が増えています。

身体に必要以上の栄養素が入ることで、代謝機能に負担がかかり本来であれば加齢と共に収縮するはずの前立腺が肥大してしまうのです。

食事を改善することで前立腺肥大を予防し、正常な男性機能の維持を助けることが可能です。
動物性たんぱく質や塩分の多い食事を避け、シンプルな和食中心の食事をこころがけることで体質を改善できます。

下記が前立腺肥大の予防に効果のある栄養素です。

亜鉛

亜鉛は男性機能の向上に効果がある栄養素です。
前立腺肥大のほかにもEDや中折れにも効果があります。亜鉛を多く含んでいる食材に「牡蠣」「かぼちゃの種」「牛肉」「ひよこ豆」があります。
食事で摂りづらい人はマカなどのサプリメントが効果的です。

亜鉛が多く含まれているマカや、亜鉛が手軽に摂取できるサプリメントは、別ページで効果や商品の詳細を見ることができます。

マカは100カプセル(約1ヵ月半~3ヵ月分)2,250円、亜鉛は250粒(約8ヵ月分)4,500円で購入できるため、1日18円~44円で対策できます。

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸には前立腺肥大を遅らせる作用や老化防止の効果があります。
オメガ3脂肪酸が含まれている食材に「サーモン」「マグロ」「ごま油」「くるみ」があります。
オメガ3脂肪酸は熱に弱いので加熱せずに生で摂るのに適しています。

リコピン

リコピンの抗酸化作用で前立腺の機能を維持する作用があります。
主な食材は「トマト」です。生で摂取するよりもトマトソースやスープ、ジュースなどで摂るほうが効率良く吸収できます。

生活習慣の改善

前立腺肥大の原因になる男性ホルモンの低下は、ストレスでも起こるので普段から規則正しい生活を心がけ十分な睡眠や休息を取る必要があります。
高血圧や肥満も原因になりますので、日常から適度な運動を行い健康に注意することで前立腺肥大を予防することができます。

参考サイト:
前立腺肥大症 - 21. 男性の健康上の問題 - MSDマニュアル家庭版
前立腺肥大症 - Wikipedia

まとめ

前立腺肥大は男性であれば誰にでも起こりうる病気です。加齢や男性ホルモンの乱れが主な原因ですが、ストレスや生活習慣でも起こります。

前立腺肥大にかかってしまうと、排尿に関する症状以外にも男性機能の低下やEDも起こりやすくなりますので、日常から予防することが必要です。